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2020年2月4日

自動車ガラスにフィルムを貼る方法と施工費用

カーフィルムをご存知でしょうか?自動車ガラスのアクセサリーとして人気が高く、UVカット性能や断熱性能をアップしてくれるカーフィルムは、知ってはいてもなかなか予備知識がない方が多いアイテムです。今回はそんな自動車ガラス用のフィルムに関する基礎知識をご紹介します。ぜひ参考にしてください。


「カーフィルムの施工代っていくらですか?」「フロントガラスにもフィルムは貼れますか?」「自分で貼ることはできますか?」こういったご質問をよくいただきます。自動車ガラスは、新車購入時こそフィルム加工がされていないものの、車内の快適性をアップしてくれるカーフィルムはアクセサリーパーツとしてとても人気の高いアイテムです。

ただし、施工にはプロの高い技術が必要であり、不慣れな素人がきれいに施工することは非常に難しいのもまた事実。


今回はそんなカーフィルムに関心をお持ちの方のために、貼る前に知っておいていただきたい基礎知識やプロの技術をご紹介いたします。フィルムを貼る方法や、専門店へ依頼した場合の目安となる施工費用も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

カーフィルムを設置できるガラス

まずは自動車ガラスのうち、どのガラスにカーフィルムを設置することができるのか?という点についてです。

技術的に貼り付けるという意味では、フロントガラスを含めてすべてのガラス部位に貼り付けは可能です。ただし、保安基準や車検の基準に準拠するためにはフィルム貼り付けができるガラス部位は限られてきます。おおまかに部位別のポイントは下記の通りです。

フロントガラス

フロントガラスは、可視光線の透過率が70%以上であることが義務付けられています。この70%以上を確保できていればフィルムの貼り付けは可能といえます。ただし、自動車ガラス専門店によっては、安全性を考慮してフロントガラスへのフィルム設置を行わない店舗もありますので、ご注意ください。

前方ガラス(フロントドア、フロントコーナーなど)

フロントガラスと同じく、フロントドアなどの前方ガラスも可視光線透過率70%以上が義務付けられています。車種に使用されているガラスの種類によって、フィルムを貼り付けできる(施工後も70%以上を維持できる)場合とそうでない場合がありますので、車輌を自動車ガラス専門店へ持ち込んで相談することをおすすめします。

専門店であれば、ガラスの透過率を測定後にフィルムの使用可否を伝えてくれるお店が一般的です。ただし、貼り付け可能な場合でも透過率の高い透明なフィルムに限られます。スモークのような透過率の低い(黒っぽい)フィルムは設置できませんのでご注意ください。

後方ガラス(リアドア、リアドアクオーター、リアガラスなど)

一般的に、リアドアやリアガラスなど後方のガラスはフィルム施工ができる部位となります。UVカット性能や断熱性能に加え、車外から車内を見えにくくするプライバシー性能も高めてくれるスモークカラーが人気です。

上記のほか、サンルーフガラスにもフィルム施工が可能です。

どんな種類のフィルムがあるのか?

さて、続いてはカーフィルムの種類を見ていきます。フィルムの種類は、主に【性能】と【カラー】に分けることができます。

どんな性能のカーフィルムがあるのか

性能別に見ると、断熱タイプとUVカットタイプの大きく次の2つに大別されます。

断熱タイプ

いわゆる「暑さ防止」の効果です。自動車ガラスはドライブ中、駐車中ともに絶えず日光にさらされる時間が多く、日射熱によってガラスの温度が上がり、その熱が車内空間までも温めてしまいます。夏場に駐車場に戻ると車内がムワッと暑くなっているのは、ガラスを通して車内の温度が上がった結果です。

出典:LINTEC

カーフィルムのなかには断熱の性能を高めてくれるものがあり、車内の快適性を高めてくれる効果があります。またその結果として冷暖房の効果も高くなるため、燃費やエコといった点でも貢献してくれます。

UVカットタイプ

UVカットタイプはその名の通り「紫外線カット」性能を高めてくれるカーフィルムです。最近の自動車ガラスは、フロントガラスからリアガラスまで90%前後の紫外線カット性能を持っているものがほとんどですが、その性能を99%近くまで高めてくれるのがこのUVカットタイプのフィルムです。

週末に限らず日常的に運転をする方や、週末の長時間ドライブにおいては車外から降り注ぐ紫外線による日焼けや皮膚病のリスクが高くなるため、UVカットタイプのカーフィルムを施工することをおすすめします。

どんなカラー(色)のカーフィルムがあるのか

続いてはカーフィルムのカラー(色)について見ていきます。市販の商品を含めるとカーフィルムの色はさまざまありますが、主に次の3つに大別できます。

透明タイプ

透明タイプは可視光線透過率を考慮したフィルムで、主にフロントドアなどの前方ガラスに使用されるケースが多いようです。その名の通り無色透明なので、施工後もガラスの色に変化はありません。

スモークタイプ

黒っぽい色をしたカーフィルムです。主に後方ガラスに使用されることが多く、フィルム施工後は車外から車内がほとんど見えない状態になります。可視光線透過率は当然低く、8%〜45%程度のものまで透過率別にラインナップされています。前述の断熱やUVカットといった性能も備えていますが、それらの性能よりもプライバシー保護の観点で施工を希望される方も多いカラーです。

ブラウンタイプ

透明タイプやスモークタイプほど一般的ではありませんが、ブラウン系のカラーのフィルムも存在します。最近の国産車に使用されているガラス色はグリーン系のものが多いですが、数十年前まではブラン系のガラスが主流でした。そのため、カーフィルムにおいてもブラウン系のものが残っており、一部の方には高い人気を誇っています。また、新型車輌であっても、ボディーカラーとの相性から選ばれることも多いようです。

カーフィルムを貼るメリット

ここまで見てきた内容を含め、カーフィルム施工のメリットをまとめておきます。

1.車内の快適性アップ

自動車ガラスの断熱性能、UVカット性能を向上することによって車内を快適に保ってくれるというメリットがあります。

2.プライバシー保護

スモーク系のフィルムを貼ることで車内のプライバシーを高めることができるメリットがあります。一般の私用車はもちろん、社用車の後部座席などにもよく利用されています。

3.ガラス飛散防止

フィルムを貼ることでガラスが割れた場合の飛散防止効果をもたらすメリットもあります。一般に、自動車ガラスはフロントガラスを除き、強化ガラスが使用されており、衝突や外傷によってガラスが割れる際はパラパラとした細かい破片になるようになっています。フィルムを貼っておくことで、その細かい破片が飛散することを防止する効果があります。

自分で貼るべき?プロに頼むべき?

ここまでカーフィルムの種類や性能をご紹介してきました。フィルム施工には多くのメリットがあることがご理解いただけたと思いますが、いざフィルムを貼る場合、自分で貼るべきか?自動車ガラス専門店のようなプロに依頼すべきか?判断に迷うところだと思います。

結論としては、自動車ガラス専門店などのプロへ依頼することをおすすめします。

プロに依頼すべき2つの理由

フィルム施工をプロに依頼することをおすすめする理由をご紹介します。

施工の手順は、大まかに「フィルムの用意」「カッティング」「貼り付け」の3ステップです。

理由1.プロ仕様の製品

はじめに「フィルムの用意」の点を見ていきます。フィルムにはさまざまな種類があることをご紹介してきましたが、何より大切なのがどんなフィルムを使用するか、ということです。自動車ガラス専門店などのプロに依頼すれば、プロ仕様の高機能フィルムを比較的リーズナブルなお値段で使用することが可能です。

具体的には次のような製品が使用されています。

サンマイルド

断熱性能・UVカット性能を持ったフィルムで、IRカット率約70%(カタログ値)の性能を備えています。一般的に傷にも強く、プロの施工店でよく使用されています。また、傷に対するタフネスの点でも非常に優れています。

シルフィード

高断熱・UVカット性能を持ったフィルムです。断熱性能はサンマイルドよりもさらに高く、IRカット率も99%以上(カタログ値)という高機能フィルムです。サンマイルド同様、施工後の傷つきにくさの点でも優れた製品です。

ネットや量販店では「激安断熱フィルム」「激安スモークフィルム」などをうたっている製品も多く取扱われていますが、サンマイルドやシルフィードのようなプロ仕様の製品と比べると、格段に性能が劣ります。たとえ一見した見栄えでは大差がないように見えても、その性能や貼付け後の傷つきにくさという点ではプロ仕様のフィルムが断然おすすめです。

理由2.施工の美しさ

続いて「カッティング」「貼り付け」に関する点です。

カーフィルムは施工する車種のガラス形状に合わせてカッティングが必要です。このカッティングは、素人には非常に難しく、プロフェッショナルの技術力が発揮される部分です。

専門店によっては、お客様の車種のガラス形状データをもとに機械で精緻なフィルムカットを行ってくれるケースもあります。

また、加えて貼り付け工程においても高い技術レベルが必要です。貼付け前には自動車ガラスを丁寧にクリーニングし、ゴミが入り込まないようにする必要があります。その後、カッティング後のフィルムに専用の施工液を使用し、ヒートガン(ドライヤーのような加熱装置)を使って自動車ガラスの湾曲に沿って貼り付けていきます。

この貼り付け工程は、不慣れな素人が行うとシワが寄ったり、ガラスとの間に空気が入り込んで水玉のようになったりと、なかなか美しく施工することができません。

またリアガラスなど大きなガラスは1枚の大きなフィルムを貼り付けるため、より高いレベルの技術が要求されます。

たとえ高性能のフィルムを入手できたとしても、自分自身で美しく施工することは非常に困難と言えるでしょう。ぜひフィルム施工を行う場合はプロの自動車ガラス専門店へ相談することをおすすめします。

大東株式会社のカーフィルム施工サービスはこちら

カーフィルム施工の費用は?

カーフィルム施工をプロの専門店へ依頼するといくらぐらいの費用がかかるのでしょうか?

使用するフィルムや車種(ガラス面積、作業工数)にもよりますが、フィルム代と施工費用をあわせて、軽自動車の場合で20,000円〜、一般的なセダンの場合で30,000〜40,000円、ワンボックスやSUV、ハイエースなどの大型車種の場合で40,000〜60,000円程度がおよその目安金額(※)です。

※目安金額はフロントガラス、フロントドアガラスを除く後方ガラスセットです。専門店によって金額が異なりますので、詳しくは見積を依頼してご確認ください。

施工はどのくらいの時間でできるのか?

質問

設置するガラスの枚数や車種にもよりますが、専門店に依頼した場合のフィルム施工はおよそ3〜4時間ほどを見込んでおくと良いでしょう。店舗へ車輌を持込んで実施するケースがほとんどです。一部、お客様の自宅などへ出張して施工する専門店もあるようですが、フィルムの防塵対策やヒートガンなどの専用機材を使用することを考えると、店舗持ち込みする方が良いでしょう。

大東で実施したカーフィルムの施工事例もご紹介していますのでぜひご覧ください。

まとめ

カーフィルムについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?はじめて施工する場合は、わからないことが多く不安もあるかと思います。自分で貼り付けるべきかどうか迷った場合は、まずはお近くの自動車ガラス専門店のプロに相談することをおすすめします。

プロによる施工と自分で貼り付ける場合との違いや、基本的な知識など、きっと専門スタッフの方が解説してくれるはずです。この記事がカーフィルム施工をお考えの方の参考になれば幸いです。

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