フロントガラス撥水を利用したことはありますか?撥水は、雨の多い梅雨の時期はもちろん、年中通して活躍してくれるおすすめのメンテナンスです。今回はフロントガラスの撥水コーティングに関する基礎知識と具体的な方法や金額についてご紹介します。
目次
フロントガラスの撥水とは?
撥水とは、自動車フロントガラスにコーティングすることで、雨滴を弾く効果があるものです。優れたコーティングは、雨の日でもワイパーを使用することなく、雨滴を弾いてくれます。ワイパーを使用しないことから視界を良好に保つことができ快適なドライブをサポートしてくれます。
撥水以外にも効果アリ!?
あまり知られていませんが、撥水コーティングをすることによって次のようなメリットもあります。
ワイパービビリ音の低下
シリコン系のコーティング剤にシリコンワイパーゴムを組み合わせると、フロントガラスとワイパーが擦れることによる「ワイパーのビビリ音」を抑える効果があります。雨天時のドライブでも静かな車内を保ってくれるので、快適さがアップしますよ。
霜・凍結防止効果
冬場のフロントガラス凍結の原因となる霜も、撥水コーティングをした状態だとワイパーを数回動かす程度でかんたんに削氷することができます。
こういった副次的なメリットがあるもの、撥水コーティングの嬉しいところですね。
続いて、撥水に使用するコーティング剤の種類について見ていきます。
撥水コーティング剤の種類
撥水コーティング剤には、大きく2つ、シリコン系とフッ素系が存在します。
それぞれの主な特徴は下記の通りです。
特徴 | シリコン系 | フッ素系 |
撥水性 | ◎(よく弾く) | ◯(シリコン系には劣る) |
耐久性 | ◯(1〜3ヶ月) | ◎(3ヶ月〜1年) |
価格 | ◎(フッ素系より安い) | ◯(シリコン系より高い) |
この表だけを見ると撥水性が高く、価格も安いシリコン系が良いようにも思えますが、撥水性、耐久性、価格についてもう少し詳しく見ていきましょう。
撥水性の違い
シリコン系はイメージとしては、油膜コートされているような状態に近く、そのため雨滴を弾く性能が高いです。一方、フッ素系はシリコン系に比べて固く硬化するイメージで、雨滴を弾く性能はシリコン系よりも劣ります。
耐久性の違い
耐久性はフッ素系の方が優れています。先ほど触れたようにフッ素系の方がコーティング剤が固く硬化するため耐久性が高く、シリコン系は油膜のような流動性があるコーティング剤のため、耐久性では劣る、というわけです。雨滴やほこり、汚れ、ワイパー擦れに対してもシリコン系の方がタフネスがあると考えてください。
価格の違い
価格については、材料費、施工費(プロに依頼する場合)、ともにフッ素系の方が高いと考えてください。施工費の違いは、フッ素系の方が下処理に手間がかかることが大きな理由です。
ちなみに、市販の撥水コーティング剤で有名なガラコでは、「ぬりぬりガラコ」がシリコン系、「超ガラコ」がフッ素系です。
いいとこ取りの2層コート
シリコン系とフッ素系のいいとこ取りをした「2層コート」の撥水コーティング剤も存在します。下地は硬化するフッ素系コーティング、その上に雨滴を弾く力の強いシリコン系の油膜を塗布するイメージです。この2層コートを施した上で、コーティング剤が落ちにくい専用ワイパーを組み合わせると、なんと最大2年間も効果が持続するものがあります。
もちろん、素人の施工ではココまでの持続効果を出すことは難しく、専門店のプロへ依頼する必要があります。
撥水の効果はどのくらい持続するのか?
撥水は一般にコーティング剤を塗布することで雨滴を弾くため、おのずと経年劣化し、効果が徐々に落ちていくことになります。一般的には数ヶ月程度ですが、前述のように2層コート+専用ワイパーを使用することで、2年間の持続性があるものまで存在します。
ワイパーと撥水の関係
撥水コーティングで気になるのが、ワイパーによるコーティングの劣化です。ワイパーは物理的にフロントガラス表面のコーティング剤を擦りますので、当然コーティング剤の劣化の原因となります。撥水コートをしている場合は、なるべくワイパーを使用せずに運転したいものですが、激しい大雨などの場合はどうしてもワイパーが必要なケースもあります。
先ほど触れた2層コートと組み合わせるための専用ワイパーは、コーティング剤への負荷を軽減してくれます。従来のワイパーが一般に天然ゴム性であるのに対し、この専用ワイパーはグラファイト加工してあるシリコン素材のワイパーであり、ガラスの表面コートに使用しているシリコン系コーティング剤との相性が良いです。その結果、シリコン系コーティング剤の劣化を抑えてくれ、撥水効果を長持ちさせてくれる効果があります。
撥水の方法と価格
撥水コートは市販でも多くの商品が販売されています。先ほど触れた「ガラコ」や「スマートビュー」などが有名です。これらの撥水剤はネット通販やカー用品店で販売されており、価格もリーズナブルなため、使用したことがある方もいるかもしれません。市販の商品価格は1,000〜2,000円程度のものが多いです。
ただし市販のコーティング剤を購入する前に注意が必要です。こういった市販の撥水コートも確かに効果はあるのですが、デメリットとしてはうまくコーティングしないと高い撥水性能を発揮することが出来ない点にあります。
例えば、
・コーティング前のガラス清掃の不足
・コーティングのムラ
などが原因となり、本来の撥水効果を発揮できないケースが多く見受けられます。
特にガラス清掃については、もともとガラス表面に付着している油膜(ホコリや洗車剤、ワックスなどが原因)の除去や脱脂をきちんと行う必要があり、素人にはなかなか難しい作業です。窓を拭いた程度で市販のコーティング剤を使用すると、撥水効果が期待出来ないばかりか、すぐにコーティング剤が落ちてしまい、持続期間もきわめて短くなってしまいます。
市販のコーティング剤を使ったとしても、撥水コートはなかなか難しいものと言えるでしょう。
おすすめはプロの撥水コート
そこでおすすめなのが、ガラス専門店のプロに撥水コーティングを依頼することです。多少費用がかかったとしても、撥水性と耐久性の点では、素人の施工よりも圧倒的に優れています。
プロの撥水コートの特徴
自動車ガラス専門店のプロによる撥水コーティングは、コーティング剤、施工工程ともに素人のそれとは大きく異なります。前述のような2層コートも素人ではなかなか施工できないコーティング剤ですし、施工前のガラスクリーニング(下地処理)、施工後の養生に至るまでのプロセスが、撥水コーティングの仕上がりに影響してきます。
プロに依頼したときの費用
専門店それぞれによって価格は異なりますが、先ほどご紹介した「2層コート+専用ワイパーの組み合わせ」による施工の場合、10,000〜20,000円程度が目安です。この費用で2年間の効果が持続するのであれば、リーズナブルと言えそうです。
自動車ガラス専門店の撥水コーティングなら大東の撥水コーティングサービスがおすすめです。ご検討中の方はぜひ相談してみてください。
最後に、フロントガラスの撥水コーティングに関するよくある質問をご紹介します。
撥水に関するよくある質問
Q.プロに依頼した場合の作業時間はどの程度ですか?
専門店によって異なりますが、およそ1〜2時間程度とお考えください。詳しくは店舗にご相談されることをおすすめします。
Q.撥水コーティングは車検に影響がありますか?
撥水コートは車検には影響がないと考えていただいて結構です。ガラスについては、安全運転を実現するために法令で定められた可視光線透過率が維持されている(スモークフィルムなどが貼られていない)ことや、余計な付属物(パーツやステッカー)がないことが主なポイントですので、撥水コートは基本的に影響しません。
Q.撥水後のメンテナンスで気をつける点はありますか?
過度な洗車やガラス拭きはNGです。撥水コーティングを傷つけたり劣化させるような外圧は極力避けることをおすすめします。
まとめ
今回はフロントガラスの撥水コーティングに関する基礎知識をご紹介しましたが、いかがでしたか?かんたんに手に入る市販のコーティング剤も良いですが、撥水効果や持続期間を考えると、自動車ガラス専門店のプロに依頼することもおすすめです。
雨の多い梅雨の時期はもちろん、通年で快適なドライブをサポートしてくれるコーティングは非常におすすめです。これからコーティングを検討している方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。