フロントガラスナビ
2018年11月12日

フロントガラスの霜対策と落とし方

フロントガラスに付着した霜に悩まされた経験はありませんか?寒い季節、地域では冷え込む明け方の霜は厄介な存在ですよね。この記事ではフロントガラスに付着する霜を抑えるための対策と、霜が降りてしまった場合の対処方法をご紹介します。


車のフロントガラスに霜が降りて真っ白…!急いでいるのに取れない!

こんな経験をしたことがある人は、決して少なくありません。寒い季節が来たら避けることのできない現象だと理解しつつも、何とか回避できないものかと頭を悩ませ、試行錯誤してしまうのが現実です。

そこで今回は、フロントガラスに霜が降りてしまった時の簡単対処法をはじめ、それを未然に防げる効果絶大な対策を、霜が降りるメカニズムに絡めてご紹介していきます。

フロントガラスの霜の簡単対処法

都心に住んでいる人にはわかりにくいのですが、地方都市…特に寒い地域に住んでいる人にとって、フロントガラスの霜は切っても切れない大きな悩みとなっています。しかし、実はそんな大きな悩みの種であるフロントガラスの霜を、簡単に除去する方法があります。

主な方法をいくつかご紹介します。

1.霜取りスクレーパーで削り取る

冬になると、どの地域のカー用品店でも見かける、フロントガラスの霜を削り落とすための道具です。比較的簡単に、そして短時間で霜を除去することができるため、愛用している人が多いのが特徴です。
特に雪の降る地域では、柄が長く伸びるタイプのものや、ゴムベラ・ブラシ付きのスノー&アイススクレーパーなどが人気です。

ただ、霜取りスクレーパーは、ABS樹脂と呼ばれるプラスチックで作られていることが多く、作業時にあまり力を入れすぎるとガラス面に傷がつくことがあります。十分注意してください。また、削り取った霜が手に付いて冷たい思いをするといった欠点もあります。

2.お湯をかけて融かす

凍ったものを融かすならお湯!

…と、誰もが思いつきます。

ですが、車のフロントガラスには、間違っても熱湯をかけてはいけません!熱湯を使ってしまうと、冷え切ったガラス面と熱湯の温度差によりフロントガラスにひびが入る、あるいは割れる危険があるためです。
車のフロントガラスは非常に強靭な構造をしているため、通常ならそう簡単には割れません。しかし目に見えないほどの細かな傷等があった場合、その常識は通用しなくなります。

劣化や破損を防ぐために、できることなら車のフロントガラスの霜取りにお湯を使うのは避けたほうが良いのですが、どうしても使いたい!急いでいるからお湯で!という場合には、人肌程度のぬるま湯にしておくと良いでしょう。

3.市販の解氷スプレーで融かす

冬になると、カー用品点やホームセンターなどで必ずと言っていいほど見かけるようになるのが、解氷スプレーです。霜が降りてしまった車のフロントガラスに、シュっとスプレーするだけで、あっという間に霜が解けていくというスグレモノです。有名どころでは、ガラコからも解氷スプレーが発売されています。

ただ、とても簡単で便利な反面、車の部品を傷める・劣化させてしまうという声もあり、不安視する人が多いのも現状です。

解氷スプレーは主成分がエタノールと呼ばれるアルコール類のため、ワイパーゴムに付着すれば劣化を招くことがあります。とは言え、市販されているくらいの商品なので、ただちに車の部品が劣化するような濃度ではなく、度重なる使用、継続的・長期的に使用した場合を指すと言えるでしょう。また、解氷スプレーは当然ながら使い切りの消耗品。使用するたびに新たに購入しなければならず、経済的な面で欠点があると言えます。

4.エアコンをつけて霜を融かす

車のエアコンを稼動させてフロントガラスの霜を融かす方法です。車のエンジンをかけ、エアコンを暖房にし、デフモード(デフロスター※)にします。温度設定および風量を可能な限り最大に近づけて稼動させると、フロントガラスの霜の融けが早くなります。

※デフロスター:エアコンの風の吹き出しがフロントガラス方向になっているモード

何の道具も使わず、車本来の機能を利用して霜取りができるので、とても経済的で面倒がありません。ただ、周囲の気温や霜の固まり具合によっては、融け切るまでに相当な時間を要する場合があります。
そのため、時間帯によってはエンジン音が気になる・そこで待っている時間が無駄でイライラする、などの声も聞かれます。

なぜフロントガラスに霜が降りるのか

車のフロントガラスに霜が降りるのを効率的に防ぐためには、まずそのメカニズムを知ることがとても重要になります。そこが不明のままでは、どんな対策をしても一時的なものでしかなく、お金も手間も、そして時間も無駄にするだけとなってしまいます。

霜の正体は水蒸気

フロントガラスに降りた霜を触ると冷たく、そして固まっているため「氷」や「雪」のように感じる人が多いでしょう。

でも実は、その正体は『水蒸気なのです。

厳密に言えば、水蒸気が昇華(※)によって固体である霜に姿を変えたものです。見た目には違いがないように思えるこれらの現象ですが、その過程・原理には大きな違いがあります。

(※昇華:気体から固体へ、または固体から気体へ、液体の状態を経ない『状態変化』を起こすこと)

  • 氷:水が温度の低下(0℃以下)に伴い、凍ったもの
  • 雪:上空の気温の低下(0℃以下)に伴い、小さな水の粒が凍って水蒸気を付着させながら、地上に降ってきたもの
  • 霜:水蒸気が降り注いだ面の温度の低下(0℃以下)に伴い、その面で水蒸気が昇華し形成したもの

どんな条件の時に霜が降りる?

車のフロントガラスに霜が降りるのは、『冬晴れの翌朝』です。

穏やかで雲らしい雲も見当たらないほどの快晴の冬の晴れ間…そんな翌朝は、放射冷却によって翌朝の地上の温度が普段以上に低くなります。また、それは地面に近ければ近いほど強く現れるため、比較的低い位置にある車のフロントガラスは影響を受けやすいのです。

フロントガラスに霜が降りなくなる効果絶大な対策法

車のフロントガラスに霜が降りるメカニズムがわかれば、それを防ぐ対策も立てやすくなります。できるだけお金をかけず、手間も労力も最小限に抑え、それでいて効果絶大な対策を見ていきましょう。

1.フロントガラスを覆う

霜が形成されるその工程を阻止する方法です。

前日の冬晴れから起こる放射冷却によって、いつも以上に大量の水蒸気が降り注いでくる寒い翌朝は、ほぼ確実にフロントガラスに霜が形成されます。霜の正体が水蒸気であり、それがフロントガラスに降り注ぎ、気温の低下によって昇華→霜になることがわかっているのですから、元を断つという意味で、水蒸気が降り注ぐのを阻止すれば根本的な解決になるわけです。

水蒸気が降り注ぐのを阻止するためには、市販のフロントガラスカバー、凍結防止カバーで覆うといった方法が最適です。カー用品店や通販などで、1,000円~2,000円前後で購入できます。不要になった毛布などで覆うことも霜対策としての効果はありますが、フロントガラスと毛布の起毛部分が霜でくっついてしまうリスクがあります。市販の専用カバーを購入することをおすすめします。

また、車全体を覆ってしまう、カーボディーカバーも効果的です。こちらはサイズやメーカーによって異なりますが、2,000円~20,000円前後と幅がありますが、フロントガラスに水蒸気が付着するのを防ぐだけなら、安価なものでも十分と言えます。

2.徹底的に汚れを落とす

フロントガラスの汚れを徹底的に落とす方法です。専用のガラスクリーナーや食器用洗剤を用いて、油膜なども徹底的に落としてしまいましょう。フロントガラスの霜は、水蒸気が付着することによって起こっています。そして、その水蒸気は、フロントガラスが汚れている場合に多く付着する性質があります。

年末の大掃除で窓拭きをした後のきれいに磨き上げた窓には、しばらくの間結露ができないことにお気づきでしょうか。水分は、埃や皮脂などの汚れに吸い寄せられて集まります。そして、それが度重なることによってカビが生え、手がつけられない状態になっていきます。こうした状態を作らないためにフロントガラスの汚れを落とし、さらに雨や水を弾いてくれるコーティング剤を塗布しておくとなお効果的です。

こまめなフロントガラスのクリーニングが霜対策になることを、ぜひ覚えておいてください。

まとめ

車のフロントガラスの霜に悩まされ、あれこれ試行錯誤していた方は、この記事でご紹介してきた霜が発生するメカニズムを知り、正しい対策を講じていただければと思います。なぜ霜が降りるのか、それならばどうすれば良いのか、この2点が把握できれば、フロントガラスの霜など怖いものではありません。

この記事の内容によって霜対策に費やす労力やお金が少しでも軽減されることを願っています。

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