フロントガラスナビ

フロントガラスの完全ガイド!ガラスのプロが徹底解説

フロントガラスに関する完全ガイドです。ガラスの構造や機能、種類はもちろん、ガラスメーカーや価格、交換や修理に関することなど、フロントガラスにまつわる情報をまとめてご紹介します。知っているようで知らない、フロントガラスに関する保存版ガイドです。


フロントガラス

フロントガラスとは

自動車のフロントガラスをご存知でしょうか?自動車に乗っている方はもちろんご存知かと思います。フロントガラスとは、自動車の前面に設置されている合わせガラスのことを指します。このフロントガラス、もともとは自動車の前面に取り付けられている風防の役割を果たしていたことから、ウィンドシールド(風除け)と呼ばれることもあります。

以前のフロントガラスは、その他の自動車ガラスと同様に強化ガラスが用いられていました。しかし、現在ではドライバーや歩行者の安全に配慮し、2枚のガラスとその間にある中間膜(樹脂膜)で構成される合わせガラスが主流となっています。(日本では1987年に保安基準によって前面に合わせガラスを使うことが義務付けられました)

合わせガラスが安全な理由

2枚のガラスを中間膜で圧着した合わせガラスは、仮に1枚のガラスが割れたり破損した場合でも、ガラスの破片が中間膜に付着してつながったままの状態になります。そのため、小さな飛び石によるキズがあっても、視界を損ねず運転を続けることが可能です。

また、ガラス破片が飛び散りにくいことから、ガラスが割れた場合もドライバーや歩行者にガラスの破片が刺さるリスクも抑えることができます。柔らかい中間膜を持つ合わせガラスであれば衝突時にガラスを突き破って身体が外に飛び出すことを防止する効果もあります。つまり、万一の際にガラスが割れても普通のガラスよりも危険性が低くなっているというわけです。

合わせガラスのメリットはこのような安全性とともに、ジリジリ感を軽減する断熱効果や、紫外線の影響を抑えるUVカット効果などがあります。現在はフロントガラスの高機能化が進んでおり、さまざまな機能を備えたフロントガラスが自動車に搭載されています。

それではフロントガラスの基礎的な構造を確認していきましょう。

フロントガラスの構造

フロントガラスの基本的な構造は下図の通りです。車種やグレードによって異なりますが、まずは基本形として理解してください。

①2枚のガラスを中間膜で圧着
②ミラーベース
③シェード・ぼかし・ハチマキ
④黒セラミック

それぞれについて説明していきます。

①ガラスと中間膜

フロントガラスが「2枚のガラスと中間膜」で構成されていることは先ほどご紹介しました。この中間膜は非常に柔らかく、自動車が衝突した際にドライバーや歩行者を保護するための耐衝撃性の向上とともに、2枚のガラスを圧着する際の接着剤の効果も果たしています。

ガラスの中間膜の断面には細かな凹凸(エンボス形状)があり、2枚のガラスを高温高圧で圧着する際にこの凹凸が潰れ、ガラスを1枚に圧着する機能を果たします。ちなみに中間膜は圧着前の状態は淡い白色をしていますが、圧着後は透明に変化します。中間膜は積水化学工業や米国デュポン社などの化学系メーカーが主に製造しています。

②ミラーベース

一部の古い自動車はルームミラーが車内天井にくっついていましたが、現在はフロントガラスに直接設置されているミラーが多くなりました。このルームミラーを設置するための台座となるのがミラーベースです。素材は金属製のものが多いようです。

③シェード・ぼかし・ハチマキ

ガラス上部にある薄いブルーやグリーンの帯状の部分のことを指します。シェード・ハーフシェード・ぼかし・ハチマキなど、いくつかの呼び方がありますが、ドライバーの視界に降り注ぐ陽射しを和らげて快適な運転をサポートすることが主な目的です。

④黒セラミック

フロントガラスの車内面にプリントされている周囲の黒い部分のことです。その名の通り材質はセラミックですが、ガラス製造の工程ではドロドロとした粘度の高い黒い液体の状態です。この液体を塗布し、高温で乾燥させることでガラスにプリントされています。ガラスを車に組み付ける際に使う接着剤(シーラー)はこの黒セラミックの面に塗布します。黒セラミックの主な役割は、シーラーを車外から降り注ぐ紫外線から保護すること、シーラーを車外から見えなくすることの2点です。

ここまでフロントガラスの基本的な構造を見てきました。ではフロントガラスはどのような順序で製造されているのでしょうか?その工程について理解していきましょう。

フロントガラスの製造工程

フロントガラスを構成する2枚のガラスは、フラットなガラスをデザイン通りの形状に切り出したあと、ガラスを加熱しながらデザイン形状に曲げて作られます。

基本的な製造工程は次の通りです。

(1)ガラス切り出し

四角のガラス2枚をそれぞれ車のデザインに合わせた形状へ切り出します。

(2)黒セラミック塗布

1枚(車内側)または2枚のガラスに黒セラミックを塗布し、乾燥させます。

(3)曲げ加工

2枚のガラスを1枚ずつ、または2枚同時に加熱しながら曲げていきます。自動車のデザイン通りに曲げることは難易度が非常に高く、ガラスメーカーのノウハウが詰まっているフロントガラスを製造する上で最も重要な工程です。

(4)中間膜をはさむ

2枚のガラスとガラスの間に中間膜をはさみます。

(5)パーツ接着

自動車組立時にルームミラーを取り付けるための台座となるミラーベースなどを車内側のガラス内面に接着します。パーツによっては、もっと後の工程で取り付けるものもあります。

(6)加圧

中間膜を挟んだ2枚のガラスを、高温高圧の環境に置き圧着します。この工程で中間膜やミラーベースがガラスに圧着され、最終的な1枚の合わせガラスになります。

(7)仕上げ

最後に合わせガラス周辺にはみ出した中間膜をカットしたり、必要なパーツの取り付け、傷などの欠点をチェックしたりといった仕上げ工程を経て、完成です。

いかがでしょうか?ドライバーの方にはとても身近な自動車のフロントガラスは、多くの工程を経て製造されていることがわかりますね。

※ガラスの製造工程はガラスメーカーによって異なります。上記は概要イメージとして理解してください。

フロントガラスの様々な機能

ここまでフロントガラスの基本的な構造や製造工程などをご紹介してきました。

ここからは最新の自動車ガラスが備える機能について見ていきましょう。自動車が誕生したのは1885年。当時はガラスは設置されていませんでしたが、自動車スピード向上とともに風除けとしてのウィンドシールドが登場し、さまざまな進化を遂げて現在の合わせガラスのフロントガラスに至っています。そんなフロントガラスは現在でも進化し続けています。ここでは現在のフロントガラスが持つ様々な機能をご紹介します。

UVカット性能

フロントガラスは2枚の合わせガラスであり、さらに間に中間膜が挟み込まれています。そのためUVカット性能が極めて高く、約99%の紫外線をカットするとも言われています。

断熱性能

UVカットと似ていますが、断熱性能も忘れてはならないフロントガラスの機能です。自動車を運転する際に降り注ぐ日差しでガラス自体は高温になります。その際、車内までジリジリと暑くなることを軽減してくれる性能です。快適な車内を保ってくれるとともに、エアコン効率の改善も期待できます。

遮音性能

特殊な中間膜を使うことで、遮音性を高めたフロントガラスも存在します。通常の合わせガラスを超える遮音性を備えており、自動車走行時の車外の音を遮断し、静かで快適なドライブを楽しむことに貢献してくれます。

HUD(ヘッドアップディスプレイ)

馴染みの無い方もいらっしゃるかもしれませんが、フロントガラスに速度表示される車があります。一部の高級車に搭載されているガラスですが、これはHUD(Head Up Display)と呼ばれるもので、この機能にフロントガラスが大きく貢献しています。HUDはドライバーの安全性能向上のための機能で、運転中のドライバーが速度メーターを見るために目線を下げることなく、ガラス面に必要な情報を表示してくれます。つまり脇見運転を抑制してくれるのです。

HUDのガラスにはいくつかの種類があります。フロントガラスの車内面に特殊な塗料をコーディングし、プロジェクターのように映像を照射して表示するタイプや、特殊な中間膜を使うことで、コーティングなしに映像の照射が可能になっているタイプなどがあります。安全で快適なドライビングをサポートしてくれる嬉しい機能です。

ここまで、いくつかのフロントガラスの機能をご紹介してきました。この他にもさまざまな機能を持ったフロントガラスが存在します。フロントガラスは日々進化を遂げており、ドライバーや歩行者の安全と快適性を向上するため、きっと今後も新たな製品が生み出されることでしょう。

フロントガラスの種類

突然ですが、「純正品」と「非純正品」という言葉を聞いたことはありますか?これはフロントガラスに限らず、自動車などの完成品を作るメーカーの商品を構成する部品全般に使われる言葉です。プリンターのトナーなどで聞いたことがある方もいるかもしれません。

純正品

トヨタやホンダ等、自動車メーカーが直接販売している部品を指します。基本的に純正品のガラスには自動車メーカーのロゴがプリントや刻印されています。※一部、最近のOEM(他社ブランドに製品を供給)生産車などは自動車メーカーのロゴがないものもあります。

非純正品

完成品メーカーが販売している以外の部品を指し、社外品と呼ばれることもあります。メーカー指定ではないので自動車メーカーのロゴは印字されていませんが、純正部品を自動車メーカーに納めているメーカーが製造しているものや作りが純正部品と同じなど、純正同等品という表現で取り扱われることもあります。ガラス交換に使用する場合は、一般に純正品に比べて価格が安い傾向があります。

ただし、非純正品の中には得体の知れないメーカーが作った粗悪なコピー品なども存在しますので、購入する際は十分注意する必要があります。できればフロントガラス専門の業者に相談するようにしましょう。

フロントガラスのメーカー

続いては、自動車のフロントガラスを製造しているメーカーについて確認してみましょう。一般に、トヨタやホンダ、日産、メルセデス・ベンツなど自動車メーカーの名前はよく知られていますが、ガラスメーカーの名前はご存知ない方も多いと思います。(実は自動車ガラスにはガラスメーカーのロゴも印字されています)

自動車メーカー同様、ガラスメーカーも世界的な規模の企業は数社しか存在しませんので主な企業をご紹介していきましょう。

AGC

世界No.1のシェアを持つ日本のガラスメーカーです。同社によると、世界の自動車の3台に1台はAGC製とのことです。自動車ガラスはもちろん、ビルや住宅などの建築用ガラスやスマホやテレビなどのディスプレイ用のガラスを製造する、グローバル企業です。

日本板硝子

同じく世界トップクラスのガラスメーカーです。2006年に当時世界3位の英国ピルキントンを世界6位の同社が買収したニュースは「小が大を飲む買収」として業界内外で大きな話題となりました。

セントラル硝子

国内大手のガラスメーカーです。2014年には米国大手ガラスメーカー「ガーディアン」の自動車ガラス子会社を買収するなど、自動車ガラス市場においての存在感を高めています。

福耀 / FUYAO

中国最大のガラスメーカーです。自動車ガラスメーカーとしては後発ながら、巨大な中国市場の拡大を背景に急成長しています。中国産の自動車のみならず、日本や欧米で生産される自動車にもガラスを納入しています。

SAINT-GOBAIN / サンゴバン

フランスのガラスメーカーで、その紀元は17世紀まで遡る老舗企業です。ガラスの本場であるヨーロッパを中心に、多くの自動車メーカーにガラスを納入しています。日本ではサンゴバン・ジャパン、セントラル硝子とともにセントラル・サンゴバンとしてガラスを提供しています。

 

以上5社が自動車ガラスの主要メーカーです。

余談ですが、先日Appleによる買収の報道があった米国コーニングも世界的なガラスメーカーとして有名ですが、主にスマホやディスプレイ用のガラスを得意としており、自動車ガラスは製造していません。この他にも、タッチパネルや蛍光灯などの照明用ガラスで高いシェアを持つ日本電気硝子など、用途に特化したガラスの製造を専業としているガラスメーカーもたくさんあります。

続いて、フロントガラスの交換や修理、リペアなどに関してご説明します。

フロントガラスの交換

自動車のフロントガラスを交換したことがあるでしょうか?交通事故や飛び石などによってガラスが割れたり、傷が入った場合、フロントガラスを交換することがあります。フロントガラスの交換は、カーディーラーや自動車ガラス専門店、自動車修理工場などで行ってくれます。

フロントガラスの交換について詳しくは、フロントガラスを交換する方法と必要な金額をご覧ください。

フロントガラスの修理・リペア

ガラス交換をする必要はないものの、修理やリペアが必要なケースもあります。チッピングによる小さなガラス傷などは交換ではなく修理・リペアの範囲でも対応が可能です。いまではカー用品店などで簡易な修理キットやリペアのための道具を購入することもできますので、経験のある方も多いのではないでしょうか。

フロントガラスの修理・リペアについて詳しくは、車のフロントガラスに傷を発見!どうすべきか?をご覧ください。

フロントガラスの価格

フロントガラスの価格は、車種や年式によってさまざまです。ガラスのサイズや生産数、純正品か非純正品かなどの要素によっても異なってきます。一般にはガラス交換を行ってくれるカーディーラーやガラス施工店などに相談すれば見積りを取ることが可能です。また、最近では楽天やヤフオクなど、インターネットでも自動車フロントガラスを購入することが可能です。フロントガラスの価格についてはあらためて別の記事で詳しく解説する予定です。

フロントガラスと保険の関係

フロントガラスを交換したり、修理・リペアする際は、自動車保険が適用できるケースがあります。保険を賢く利用することで、すべてを実費負担することなく施工することができます。加入している保険や、施工内容によっても異なりますが、カーディーラーや自動車ガラス施工店などに相談すれば保険の適用について丁寧に教えてくれます。フロントガラスナビでも、改めて別の記事で詳しくご紹介したいと思います。

フロントガラスに関するトラブル

自動車を運転していると、フロントガラスに関するさまざまなトラブルが発生します。ここでは代表的なトラブルをいくつか確認しておきましょう。

傷・ヒビ・割れ

フロントガラスのトラブルで最も多いのが、ガラスの傷やヒビ、割れといった破損に関するものです。走行中の前方車両が跳ね上げた飛び石によるケースが多く、その他では過度なメンテナンスによる傷つきなどの原因が挙げられます。ガラスの特性として、はじめは小さな傷でも徐々に亀裂が拡大し、最終的には大きなヒビ割れとなることを覚えておきましょう。早めの対処が大切です。

フロントガラスの傷について詳しくは、車のフロントガラスに傷を発見!どうすべきか?をご覧ください。

水垢、ウロコ

雨滴や洗車の影響で、フロントガラスに水垢が付着することがあります。水垢は、ガラス表面に付着した水分と空気中の二酸化炭素・窒素酸化物などが反応することによって発生します。その見栄えからウロコと呼ばれることもあります。しつこい水垢は水拭きしてもなかなか落ちません。そのような場合は市販の水垢落とし、ウロコ取りクリーナーなどを使用すると良いでしょう。どうしても落ちない場合は、自動車ガラスのプロである専門店やカーディーラーに相談してください。

フロントガラスの水垢やウロコについて詳しくは、フロントガラスの水垢・ウロコ取りの方法をご覧ください。

ワイパー音

ワイパーを動かした際にキュッキュッという擦れるような異音がするケースです。これはフロントガラスとワイパーの擦れる音が通常より大きくなっている状態で、ドライバーにとっては非常に不快感のある音だと思います。
ワイパー音の原因はいくつかあり、ワイパーゴムの劣化やワイパー自体の歪みの場合もあります。一方、フロントガラス自体に異物が付着しているという場合もありますので、まずはフロントガラスの表面を細かくチェックしてみましょう。ガラス面に汚れなどの違和感がない場合は、ワイパーの点検や交換が必要です。

フロントガラスに関する主なトラブルをご紹介しました。それぞれのトラブルについて詳細は別の記事でご紹介したいと思います。

フロントガラスの加工

フロントガラスは保安基準で定められた部品ですので、安全な運転をさまたげるような過度な加工は禁止されており、基準から外れる加工を行った車両は車検をパスできません。但し、撥水コーティングなど保安基準内でできる快適性向上のための加工やコーティングも存在します。

なかでも代表的なものはカーフィルム施工や撥水コーティングで、市販のフィルム、コーティング材から自動車ガラスのプロが施工してくれる高度な撥水までたくさんの種類があります。

フロントガラスの撥水コーティングについて詳しくは、フロントガラス撥水コーティングの種類と価格を、カーフィルムについて詳しくは、自動車ガラスにフィルムを貼る方法と施工費用をご覧ください。

フロントガラスのメンテナンス

お仕事で毎日のように自動車を運転する方も、週末のみ運転する方もフロントガラスのメンテナンスを行うことはとても大切です。フロントガラスは自動車の前面ですので、排気ガスや空気中の汚れが付着しやすい部分でもあります。定期的なメンテナンスが快適で安全なドライブにつながるということを忘れないようにしましょう。

ここでは代表的なメンテナンスであるクリーニング方法についてご紹介します。

(1)シャンプー洗車

フロントガラスの車外面のクリーニングは、シャンプー洗車が基本です。洗車の際でOKですので、専用のカーシャンプーで丸洗いし、きっちりと拭き上げるようにしましょう。

(2)しつこい汚れは専用クリーナー

シャンプー洗車でも取れない汚れもあります。長らくガラス面にこびりついた強い油膜が代表例です。しつこい油膜汚れには、研磨剤が入った専用のクリーナーを使うようにしましょう。ただし、ゴシゴシと何度も強くこすりすぎると、研磨剤によってガラス表面を傷つける恐れがあります。小さな傷はヒビ割れの原因になりますので、十分注意してください。

(3)余裕があれば撥水コーティング

汚れをキレイに落としたあとは、撥水コーティングを行うことをおすすめします。撥水は水垢の原因となる雨滴を弾いてくれますので、次回メンテナンスの負担を軽くしてくれると同時に、視界が良好になり運転の快適さを左右します。スプレータイプやシートタイプなど、さまざまなコーティング材が市販されていますし、自動車ガラス専門店に持ち込めばさらに高度な撥水コーティングをやってもらうことができます。

(4)車内面は水拭き

フロントガラスのクリーニングで忘れがちなのが車内面です。ガソリンスタンドで給油時にタオルを貸してくれることがありますので、定期的に乾拭きしている人は多いと思いますが、それだけでは不十分です。車内に舞うホコリや、ガラス面に触れた際の手垢が残っていることも多いです。

車内面クリーニングの基本は、まずは水拭き。全面をむらなく水拭きしたあとはきれいなタオルで乾拭きして仕上げましょう。それでも落ちない汚れ(タバコのヤニやこぼれた飲料の付着など)がある場合は、専用のガラスクリーナーで拭き上げましょう。

以上がフロントガラスの代表的なメンテナンスであるクリーニングの方法です。フロントガラスのクリーニングを怠ると、汚れが目立って見栄えを損なうばかりか、安全運転に必要な視界の確保を妨げることにつながります。ぜひ定期的なクリーニングを心がけるようにしましょう。

フロントガラスに関する法令

ここまで何度か説明してきましたが、自動車フロントガラスは保安基準が定められています。安全な運転に必要な可視光線透過率や、破損時の規定、ガラスに貼り付けて良いものなどが定義されています。

フロントガラスは安全を左右する部品ですので、視界を損ねるような加工、例えばステッカーを貼ったり、ペイントしたりする行為は当然禁止されています。

参考までに、保安基準で定められている項目の一例をご紹介します。

・損傷した場合においても運転者の視野を確保できるものであること。

・容易に貫通されないものであること。

・透明で、運転者の視野を妨げるようなひずみのないものであること。

・運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係る部分における可視光線の透過率が 70 %以上のものであること。

などなど。
この他にも、保安基準では国内の公道を走行するために必要な自動車ガラスの規定が細かく定められています。2017年の保安基準の改定により、車内を撮影するためのドライブレコーダーの設置が認められた(もちろん安全性を損ねないための設置に関する細かい規定があります)など、随時改定が行われています。

一般的には保安基準について詳しい方は多くないと思いますが、車検の際には必ず保安基準に適合している必要があります。一部のカーフィルムなどフロントガラスには使用してはならないものも手に入りますが、必ず保安基準に準じた範囲のものを使用するようにしましょう。

判断に迷った場合は、カーディーラーや自動車ガラス専門店に相談するか、国土交通省のサイトを確認するようにしましょう。

まとめ

ここまでフロントガラスに関する基礎知識をご紹介してきましたが、いかがでしたか?私たちの生活にとって身近な自動車ですが、フロントガラスについては知っているようで知らなかったことも多かったのではないでしょうか。

自動車はとても便利である反面、交通事故などのリスクもある乗り物です。家族や友人など大切な人を乗せてドライブすることも多いかと思います。快適で安全なドライブのためにも、フロントガラスに対する正しい知識を身につけておくことをおすすめします。

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