車好きの方はフロントガラスにステッカーを貼りたいと思っている方多いですよね。
とはいえ、
・そもそもどういう法律があるの?
・ステッカーを貼ってもよい場所はどこ?
という方も多いと思います。
そこでこの記事ではそんな車のステッカーに関するお悩みを解決いただけるようフロントガラスとステッカーについて解説します。
具体的には
・フロントガラスにステッカーはNG
・フロントガラスの法令について
・貼り付けが認められているもの
・ステッカーを貼り付けても良い場所
の順番に重要なポイントに絞ってご紹介していきます。5分程度で読めますし、知らず知らずのうちに自分が法律違反をするのを防げますので、まずはご一読ください。
目次
フロントガラスにステッカー貼り付けはNG
いきなり本題ですが、フロントガラスにはステッカー貼り付けしてもよいのでしょうか?
フロントガラスに貼り付けるものとして、バックミラーやドライブレコーダーなどがあります。例えばドライブレコーダーはフロントガラスの縦の長さの上部20%以内に収まるように取り付ける決まりがあります。そのためフロントガラスの上部であれば、「ステッカーを貼り付けても問題ない」と誤解しがちです。
しかし、一部例外を除いて、フロントガラス及び運転席、助手席のサイドガラスにステッカーを貼るのは違法改造にあたります。近年、違法改造の取り締まりが厳しくなってきていますので特に注意が必要です。
見つかるとフロントガラスに不正改造車と書いた整備命令標章が貼られます。
当然、車検にも通りませんのでご注意を!
法令について(保安基準について解説)
道路運送車両の保安基準の第29条と、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示(第三節)第195条で自動車の窓ガラスに関する細かいルールが定められています。車検はこの保安基準をもとに行われるので、車検に通っていればこの保安基準を満たしています。
運転席の視界が悪くなり事故につながるという理由から、フロントガラスや運転席、助手席の窓ガラスには、可視光線透過率が70%未満の着色フィルムなどの貼り付けが禁止されています。これは、フィルムを貼った状態での数値ですので注意が必要です。
「可視光線透過率」とは、どれだけ光を通すかをパーセンテージで表した数値で、数値が小さくなるにつれて透明度が下がっていきます。
これに違反して先ほどご紹介した整備命令標章が貼られた場合、その日から数えて15日以内に保安基準に適合するように整備をし、運輸局で検査を受けなければなりません。これを無視した場合や日付が過ぎてしまった場合、その車の使用停止命令や50万円以下の罰金が科せられます。当然この標章をはがすことも違法で車の使用停止命令がくだります。
一方リアガラスや後部座席の窓ガラスには、可視光線透過率の定めがありません。したがって、自動車の後部ガラスは黒っぽいプライバシーガラスが装着されていたり、スモークフィルムを貼った車両があったりするというわけです。ただし、著しく可視光線透過率が低い状態だと後方視界が悪化しますので、安全運転に支障が出てしまいます。安全運転を維持できるレベルの適度な透過率を維持してください。
フロントガラスに貼り付けが認められているものとは
フロントガラスの視界エリアに貼り付けが認められている主なものは以下の通りです。
- 整備命令標章
- 臨時検査合格標章
- 検査標章
- 保案基準適合標章
- 共済標章又は保険・共済外標章
- 故障ステッカー
- バックミラー
- 公共の電波を受信するために全面ガラスに貼り付けるアンテナ
- 塗装か貼り付けた状態で、運転手の視野を妨げる歪みがなく、運転手が交通状況を確認するために必要な視野範囲において、可視光線透過率70%以上が確保できる透明のもの
- 国土交通大臣または地方運輸局長が指定したもの
以上が保安基準で貼り付けを認められているものですが、いくつか内容について解説します。
「整備命令標章」は、先ほども言った違法改造車に貼り付けられるステッカーです。
「臨時検査合格標章」は、臨時検査に合格した場合に車の使用者に一定期間交付されるステッカーのことです。臨時検査とは車両事故などが原因で保安基準を満たしていない可能性がある場合に受ける検査のことで、受検期間も定められています。
「検査標章」は、車検が通った時に自動車検査証と一緒に交付されるステッカーです。
「保安基準適合標章」は、車検を受けた後に車検証などができるまでの間フロントガラスに代わりに貼っておくステッカーです。
「保険標章」「共済標章」は、自賠責保険の期限が書いているステッカーのことです。
「故障ステッカー」は、警察官が整備不良や事故車両を発見した際に交付するステッカーです。リアのランプやヘッドランプなどがついていない場合なども整備不良にあたるのでこのステッカーが交付されます。意外と気づかない場合が多いので、ガソリンスタンドなどで点検してもらいましょう。
また、運転席、助手席の窓ガラスでも盗難防止装置のステッカーは決められた場所に貼り付けることが可能です。それは、ガラスの下の縁から10㎝以下の位置か、ガラス開口部の後ろ縁から12.5㎝以下の位置です。
視界エリア以外なら貼り付けOK?
ちなみに、「フロントガラスの下部(黒いセラミックプリントがある部分。もともと可視光線透過率0%)は、運転視界ではないのでステッカー貼り付けOK!」という声も聞きますが、これには注意が必要です。正確には、保安基準においてフロントガラス下部であればステッカー貼り付けOKという定めがないことを理解してください。車検はもちろん、公道走行時には違法改造車と認定される可能性が高いので、くれぐれも貼り付けたりしないようにしましょう。
公道を走行しなければステッカーOK
ここまで解説してきたステッカーの基準は公道を走行する車両を対象に定められていますので、「公道を走行しない車両」は、この限りではありません。(レアケースだとは思いますが)ガレージに置きっぱなしの車両や、サーキットのみで走行する車両などはステッカーを貼ってもOKということになりますね。
ステッカーを貼り付けてもOKな自動車ガラス(リアドアガラス、リアガラスなど)
公道を走行する車両でも、フロントガラスと運転席、助手席の窓ガラス以外であれば、ステッカーを貼ることが可能です。先にも言った通りリアガラスなどは透過率の定めがないのでステッカーを貼れます。しかし、運転席からの視野が著しく悪化するような場合は、警察から注意を受けることもあります。運転の妨げにならない範囲でステッカーを貼るようにしましょう。
ちなみに、最近では、中から外は見えるが外から中は見えないシースルータイプのステッカーも発売されているようです。運転の邪魔だけどどうしてもステッカーを貼りたいという方は、このシースルータイプのステッカーを使いましょう。
ステッカーは専用溶剤で剥がす
最後に、違法だと知らずに貼ってしまったステッカーを剥がす方法を紹介します。
それは、ステッカーやシール専用の剥がし剤を使う方法です。お金をかけたくない気持ちもわかりますが、熱湯やドライヤーの温風では粘着剤を完全には取り切れません。粘着剤のあとが残り、見た目が悪くなります。加えて残った粘着剤にゴミや土がつき車が汚れる原因になります。
またガラスに熱湯をかけると最悪の場合、割れやヒビにつながらいます。そうなると多額の修理費用がかかってしまいますので、専用の溶剤でしっかり剥がすことおすすめします。
まとめ
フロントガラスや自動車ガラスとステッカーについてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
違法と走らず、ついつい知らずにフロントガラスに貼ってしまうかもしれないステッカー。しかし貼ってしまうと違法改造にあたり、最悪の場合は自分の車が使えなくなってしまいます。近年、違法改造の取り締まりも強化されているので、この記事がそのような知らないうちに法に触れてしまう人を減らすお役に立てば幸いです。
正しいルールを知り、ルールの範囲内で楽しいカーライフを送りましょう。